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第14世代Intel CPU Raptor Lake Refreshは買いか?

   

2023年10月17日、ついにIntelの第14世代CPU「Raptor Lake Refresh」がリリースされました。

従来どおり、上位モデルからのリリースとなっていて、i9やi7のK付きモデル(倍率ロックフリーモデル)が店頭に並んでいます。

さて、この新しいCPU、果たして買う価値があるのでしょうか。Intelの最新CPUを分析してみたいと思います。

LGA1700継続でアップグレードは容易

まず、プラットフォームは第12世代で登場した「LGA1700」を踏襲しています。つまり、BIOSさえ更新できれば同じマザーボードでの載せ替えが可能です。

また、外観上も特に目立った変化はありません。Core i9-14900KとCore i9-13900K を比較しても裏面は同じ。 厚みや重さも全く同じなので、事前の情報どおり大幅な変更はないと見て間違いないでしょう。

しかし、中身を見ていくと、いくつかの進化があるようです。

Eコア増加とAPOの追加

第14世代Intel CPU Raptor Lake Refreshでは、第13世代と比較して大きく2つの変更点があります。

ひとつは、Eコアが増加していること。特にCore i7 14700Kでは、Eコアの数が13700Kよりも4つ増えています。

・Core i7 14700K…Pコア8/Eコア12 28スレッド
・Core i7 13700K…Pコア8/Eコア8 24スレッド

Eコアが増えることで体感できる効果は…正直なところゲーム用途ではあまりないかもしれないですね。ゲームならばやはりPコアが主役ですから。

ちなみにi5、i9ともにPコアとEコアの数に変化はありません。つまり、i7のみがEコア増加の対象になっているという状況です。

2つ目の変更点は、「インテルAPO(インテル アプリケーション・パフォーマンス・オプティマイゼーション)」の実装です。

APOは一部のゲームで動作を最適化するための自動調整機能のようです。自動調整によってパフォーマンスの向上が達成されるとのことですが、実際にどの程度の恩恵があるのでしょうか。

リサーチしていくと、どうやらCore i7において第13世代との差がしっかりと出ているようです。CINEBENCH2024では、

・Core i7 14700K…マルチスレッドスコア 約1900
・Core i7 13700K…マルチスレッドスコア 約1650

と15%程度の性能向上が確認されています。ちなみにi9やi5ではなぜか有意な差は見られないようです。最も売れそうなCore i7でEコアが増えていることと関係がありそうですね。

ベンチマークスコアからは大幅な進化は感じられない

複数のベンチマーク結果を見ると、どうやらCore i9は全世代とほぼ同一の性能、i5も誤差の範囲、唯一i7だけが5~8%程度の上昇となっています。

正直なところ、個人的には買い替えの必要性は低いと感じていますね。これならば価格がこなれた第13世代の13600あたりで十分です。

i7ならば買い替えもアリだと思いますが、それも第12世代以下の場合に限定されそうです。ちょっと期待外れかな、というのが総合的な評価です。

APOが今後どの程度の発展を見せるのかにもよりますが、第14世代は実験的かつ開発ストリームの空白を埋める存在なのかもしれません。

ちょっと空振り感があるので、第13世代を使用している方は様子見でもよさそうです。ただし、i5未満の下位モデルが本命の可能性もあるので、引き続きチェックしていきましょう。

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