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2022年以降のパーツ更新は電源から始めるべきかもしれない

   

ゲーミングPCの醍醐味のひとつは、パーツの交換によって性能を向上させられることですよね。

一般的にはCPUやGPUを交換すると思いますが、2022年秋以降ならば「電源」を第一候補にすべきかもしれません。

なぜなら、今後のゲーミングPCには「ATX3.0電源」の導入がほぼ必須になりそうだからです。

GPUの消費電力増大が見込まれる

nvidaのRTXシリーズに代表されるように、近年のGPUは徐々に消費電力が大きくなっています。

例えばRTX2080からRTX3080への移行では、TDPが1.4倍になります。RTX3080のTDPは実に320Wであり、省スペース電源1個分の消費電力に近いです。

また、瞬間的に高負荷状態になることで消費電力が激増する「GPUスパイク」への配慮も必要になってきました。

レイトレーシングやDLSSなど複雑なロジックが含まれる機能が増えたことで、GPUが瞬間的に使用する電力は増えているようです。

こうした事情から、今後のPC用電源は新規格の「ATX3.0」にすることが望まれます。

ATX3.0が備える「12VHPWR」

ATX3.0電源は、以下のような特徴を備えています。

  • GPU用の専用電力供給コネクタ「12VHPWRコネクタ」を追加。最大600Wまで対応
  • 450W以上の電源すべてに12VHPWRコネクタを装備
  • PCIeに追加されるカード側が電力制限を設定可能
  • 耐久性の向上(年間175,200回オン/オフを想定)
  • 12V帯の電圧最大12.2Vまで上昇、電圧降下を抑制

この中でも特に注目すべきが「12VHPWRコネクタ」の存在です。

12VHPWRコネクタはこれまでの補助電源コネクタとは全く異なる性能の「GPUの12V帯専用コネクタ」です。

これまでの補助電源コネクタは、2×3コネクターが75W、2×4コネクターが150Wの出力を持っていました。

これに対して12VHPWRコネクタは最大600Wの出力を持ちます。また、ATX3.0電源では、アダプタなどを介することなく、本体から直接12VHPWRコネクタが接続されています。

ATX2.0電源でも12VHPWRコネクタを使用することは可能なようですが、2×4コネクタからアダプタを介することになり、安定性や出力の面でATX3.0に劣る可能性があります。

そのため、ATX3.0電源はハイエンドGPUの安定稼働に無くてはならないパーツと言えるのです。

実際の負荷テストでも12VHPWRコネクタが優秀

海外の自作パーツ情報サイト「wcctech」が報じた内容を見ると、8ピン(2×4)コネクタ2本で12VHPWRコネクタへ接続した場合、電力の分散が均等ではないと報じられています。

つまり、2本の8ピンコネクタに電気を流すと1本目には300W、2本目には100Wという具合に不均衡が生じたそうです。

また、8ピン(2×4)コネクタの最大出力は前述のように150Wですから、ATX3.0電源に付属する12VHPWRコネクタの最大値(600W)を実現するためには4本のコネクタが必要です。

しかし今のところ4本もの補助電源コネクタを備える電源はほぼ皆無。加えて、今後のGPUで発生するといわれるGPUスパイクでは、TDPの3倍程度の電力が発生するといわれています。

つまり、消費電力300WのGPUならば最大900Wもの需要が発生するということですね。この巨大な需要に耐えるには、12VHPWRコネクタの存在が必須になりそうです。

ATX3.0電源は真っ先に確保しよう

もし今、電源を買い替えたばかりであっても、GPUを定期的に更新していくなら、ATX3.0電源の確保は必須になるでしょうね。

私も久しぶりに「これは買っておかないとな」と思いました。電源はPCの心臓部ですから、ATX3.0のように抜本的な機能追加があった場合は、早急に買い替えておきましょう。

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