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無償利用枠が広がったRed Hat Enterprise Linux
日本国内で稼働するサーバーOSとして高いシェアを誇るCentOSが開発終了を発表し、長年CentOSを使ってきた個人ユーザーや企業も移行先のOSを探し2024年までに移行する必要があります。
すでに後継となるべく複数のディストリビューションが発表されていますが、実際にリリースされているものは少なく派生元のRed Hat Enterprise Linux(以下RHEL)のライセンス購入を検討する流れもあります。
そのような情勢の中、RHELを無償利用出来るライセンス範囲を広げるという新たな発表も行われ注目されています。そこで今回は無償利用枠が広がったRed Hat Enterprise Linuxについてご紹介します。
従来は1ユーザー1台かつ用途も限定されていた無償利用条件
元々RHELは無償利用ライセンスが存在していましたが、申請者1人に対しインストールできるのは1台のみで、使用用途もソフトウェア開発だけに限定されていました。
日本国内事情としては開発よりも既存のサーバー用ソフトウェアを動かすための本番環境としてCentOSの需要が高く、CentOSの開発終了発表以後も無償利用ライセンスが注目を集めることはありませんでした。
新ルールでは16台へのインストールと本番運用も可能に
CentOS終了の発表後、多くのコミュニティから批判が続いているRed Hatが2021年1月に突如発表した内容は無償利用制限の大幅な緩和策でした。
インストール台数は1台から最大16台へ増え、利用用途も無制限になったことで本番環境としてRHELを複数台動かすことが可能になりました。無償利用するためにはRed Hatアカウントを取得しインストールしたRHELへログイン作業が必要ですが、一度ログインすればサポート終了まで通常通りのアップデートを受け取り続けられます。
またRed Hatアカウントは個人でも登録できるためCentOSを使用してきた多くのユーザーの受け皿となり得ます。
ホスティングサービス上へ導入がCentOSよりも不便なのは変わらず
AmazonやGoogleに代表されるクラウドマシン上にOSを導入する際、CentOSであれば標準で用意されているテンプレートから選択するだけで導入作業が完了していましたがRHELはライセンスの関係で有償のサブスクリプション契約が必要です。
あくまで無償利用ライセンスは物理サーバーや物理サーバー内の仮想マシンを想定しており、本番用OSとしてRHELを選択すると環境構築の段階で課金が避けられない点は従来通りです。
まとめ
物理サーバー上で動作する小規模なサーバーであれば、今回の無償ライセンス利用条件緩和によってCentOSからRHELへスムーズに移行可能になり、個人ユーザーの多くがその恩恵にあずかることができます。
しかしクラウドサービス上に構築して使うには従来通り高額なサブスクリプション契約が避けられず、安価にCentOSを運用してきたユーザーは置いてけぼりと言えます。しかし他にもRed Hatは新たな発表予定があるともアナウンスしており、今後の動向に要注目です。