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RAMディスクの再評価:DDR5×圧縮アルゴリズムの融合

   

最近のPC界隈で「懐かしの技術」が静かに再評価されていることをご存じでしょうか。

その代表例が「RAMディスク」です。一時はマニア向けの機能と思われていたこの技術が、現在、再び注目を集めています。

きっかけは、DDR5メモリの大容量化と高速化、そして圧縮アルゴリズムの進化です。

今回は、RAMディスクの原理とメリットを振り返りつつ、なぜ改めて注目されているのかを解説します。

RAMディスクとは何か?基本原理と用途

RAMディスクとは、PCのメインメモリ(RAM)の一部をストレージとして仮想的に使う技術です。

SSDやHDDに比べて、RAMは圧倒的な速度(帯域幅・レイテンシ)を誇ります。

そのため、IO性能がボトルネックになりやすいアプリケーションや、大量の一時ファイルを扱う処理に適しています。

たとえば、次のようなケースで効果を発揮します。

・一時ファイルの高速処理(Photoshopの作業領域やブラウザキャッシュ)
・ログやテンポラリデータの高速読込・書込
・ゲームの一部データやMODの高速展開

かつてはメモリ容量が少なく、8GBや16GB環境でメインメモリをRAMディスクとして活用することは、非現実的でした。

しかし、現在はゲーミングPCでも32GB~64GBが主流となり、「メモリの一部をストレージ化しても困らない」環境が整いつつあります。

RAMディスク再評価の理由:DDR5と圧縮アルゴリズムがもたらす転機

RAMディスクが再評価される背景には、単純な容量の大きさ以外にも「DDR5メモリの性能向上」という理由があります。

DDR5では、モジュールあたりの最大容量が128GBまで拡張されるだけでなく、帯域幅もDDR4比で最大2倍近くに増加しました。

さらに注目すべきは、WindowsやLinuxで進化を遂げた「リアルタイム圧縮アルゴリズム」との組み合わせです。

たとえば、ZRAM(Linux)やImDisk+NTFS圧縮(Windows)といった技術を用いることで、実メモリ容量以上の仮想RAMディスクを構成できるようになっています。

圧縮率にもよりますが、用途によっては2~3倍の領域を確保できるケースもあります。

従来は「高速だけど容量が少ない」とされていたRAMディスクの欠点を補い、実用性が大幅に向上しています。

RAMディスクのユースケース

では、RAMディスクはどのようなシーンで再評価されているのでしょうか。

実際の活用例を挙げてみましょう。

ゲームロードの短縮

一部のPCゲーマーは、MMORPGやMODの多いタイトルの一時展開ファイルをRAMディスクに移すことで、ロード時間の短縮を図っています。

動画編集やクリエイティブ用途

4K素材を扱うような動画編集では、一時ファイルの読み書き速度が作業効率に直結します。RAMディスクで作業キャッシュを管理することで、SSD以上のパフォーマンスを引き出せます。

セキュリティ強化

RAMディスクはPCをシャットダウンすると内容が消えるため、作業中のみ使用したい一時ファイルの保管場所としても適しています。

特にクラウドやブラウザのセッション情報などをローカルに保存したくないユーザーには、安全性の面でも注目されています。

このように、「大容量・高速メモリを有効活用したい」「SSDよりさらに速く・一時的に使いたい」というニーズと、RAMディスクの特性が今の時代にマッチしているのです。

PCゲーマーになら知っておきたい選択肢

RAMディスクは、万人に必要な機能ではありません。特に現在はCドライブに使われるNVMe SSDが十分に高速なので、わざわざRAMディスクを組む必要がありません。

しかし、「体感と数値の両面で速い」ことを重視するPCゲーマーにとって、RAMディスクは非常に魅力的です。特に現在はDDR5と圧縮技術の進化により、導入のハードルが下がり、得られる恩恵も明確になっています。

特定の用途に最適化されたRAMディスク環境を構築することで、ストレージ速度の壁を越える体験が得られるかもしれません。

「なんとなく使わなくなった過去の技術」ではなく、「今だからこそ活きる手段」としてRAMディスクを再評価してみても良いかもしれないですね。

ちなみに私もメモリ容量を64GBにしてRAMディスクを定常運用する計画を考えています。特にブラウザキャッシュやダウンロードフォルダでの運用にハマるとストレスフリーですから。

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