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メタバースが「不発」な理由
2021年ころから急激に知名度をあげたバズワード「メタバース」。
仮想世界と現実世界の要素を併せ持つメタバースは、「新しい世界」として持て囃されました。
しかし、コロナ禍が収束して以降、メタバースという言葉自体をあまり耳にしませんよね。はっきりいって不発です。
なぜメタバースは不発だったのか。そして復活の目はあるのか。今回はメタバースが「いまひとつ」だった理由を考えてみます。
実は新しくないメタバース
メタバースという用語自体はコロナ禍に急速に広まりました。しかしその概念は、決して新しくありません。
メタバースの原型として知られる「セカンドライフ」ですが、リリースされたのは2003年。実に22年前です。
当時大流行していたMMORPGの「リアルな日常版」として登場したセカンドライフは、通貨や経済の概念が現実世界に非常に近く、セカンドライフ内でお金を稼ぐ人も現れたほど。
また、セカンドライフ内の看板は「広告用スペース」として売り出されたりしました。
さらにファッションや観光、ライブなど「現実世界の日常を模したイベント」が執り行われるなど、多くのユーザーが「第二の世界」を持つことを楽しんでいました。
もちろん現在も続いていて、しっかりとバージョンアップされていますが、いまひとつ話題になっていませんよね。
メタバースは、すでに一部の人には定着していて、決して新しくないどころか「少し古い」概念だったのです。
メタバースがいまひとつだった理由
結論から言えば、「仮想世界を楽しむ」という考えが広まらなかったからです。
仮想世界は多くの人にとって、ゲームであり映画です。現実世界とリンクさせないからこそ価値があり、オンラインでわざわざ日常と同じことをやろうという人は少数派。
一部のネットゲーム愛好家が「日常系という新しさ」に飛びついたものの、普通に遊ぶ分には普通のゲームのほうが楽しいわけです。
また、SNSの爆発的な普及も原因のひとつでしょう。SNSは「スマホひとつで仮想的に誰かと出会い、つながれる」うえに、現実世界ともリンクさせやすいです。
つまり、ゲームにあまり興味がない大多数の人々は、SNSで仮想+現実の融合を楽しんでいるので、わざわざメタバースにつながらないのです。
高額でいまひとつ扱いにくいVR
セカンドライフが流行した頃と今を比べた時、決定的に異なるのが「VRがある」ということ。
VRはメタバースを楽しむための主要な技術です。没入感を高め、まさに「今ここに存在している」ことを体感できることから、メタバースと相性がとても良いですよね。
しかしVRは専用のゴーグルとハイスペックなマシンを必要とし、これまた一般人には敷居が高い代物。
PCゲーマーに限定してもVRゴーグルを所持している人は少ないと思います。高額なうえに使いどころがあまりなく、性能もいまひとつですからね。
モニターのように技術と価格がこなれてくれば広まるのかもしれませんが、そのためには大量に売れる必要があります。ちょっと難しいですね。
メタバースの本格的な流行は10年後?
あくまでも個人的な予測ですが、メタバースは徐々に浸透していくインフラのような存在だと思います。
物理的な移動時間やコストの省略、省力化のためのバーチャル活用などが本格化すれば、あまりPCに興味がない普通の人もメタバースを使うようになるでしょう。
CPUやグラボの高性能化があと2段階くらい進み、通信インフラも今以上に強力になる必要があるので、少なくとも10年くらいはかかりそうかなと思います。