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手持ちのグラボが無駄にならない?マルチGPUの魅力

   

マルチGPUときいて、おそらくほとんどの人がSLIやCrossFireXを思い浮かべるでしょう。もちろん、私もそうです。しかしこれらは、同型のグラフィックボードを2枚以上用意する必要がありました。

しかし、DirectX 12では、この制限が無くなることをご存じでしたか?今回は手持ちの型落ちグラフィックボードを有効活用できる、マルチGPUについてご紹介します。

異種混合が可能になるDirectX 12世代

通常、グラボ2枚刺し以上では、「ある処理Aに対して2枚以上のグラフィックボードで処理を行い、性能を上げる」という方法が一般的です。

これらはAMDの「CrossFireX」、nVIDIAの「SLI」が代表的です。しかし、同じGPUチップを使っていなければならなかったり、メモリ量も統一する必要があったり、当然ながらメーカーも同じでなければいけないなど、制約がありました。

簡単に言えば、GTX1050TiとGTX1060はSLIできませんし、GTX1060とRX480を組み合わせて性能を上げることもできませんでした。

しかし、DirectX 12環境では「EMA」という新技術のおかげで、こういった制限が外れる予定になっています。グラフィックボードは買い替えと交換で性能をアップさせるのが一般的でしたが、「買い増し」で性能をあげられるようになるわけです。

さらにDirectX 12環境の「Split frame rendering(SFR)」という技術で、GTX1060のメモリが3GB、GTX1050Tiのメモリが4GBを同時に搭載した場合、最大7GBのビデオメモリとして認識するようになります。これは今までのSLIやCrossFireXでは不可能なことですから非常に画期的です。

SLIやCrossFireXよりも高性能?

これらDirectX 12環境の技術を使って異種グラフィックボードの混合搭載を実現すると、同型のグラフィックボード2枚刺しよりも性能が上がる、というデータもあります。

例を挙げるならばRX580+GTX1070のほうが、GTX1070のSLIよりも性能が上がるというお話です。恐るべしDirectX 12環境のEMA構成。ゲームや環境さえDirectX 12に対応していれば、1つ前の製品だろうが他のメーカーの製品だろうが、何でも使って性能向上が達成できるわけですね。

また、現時点ではAMD製のグラフィックボードのほうがEMAの効果を発揮しやすいようです。ただし、今後のドライバーの成熟次第では、こういった差も埋まってくる可能性があります。

内蔵グラフィックとの「合体」も可能に

IntelのHDグラフィックスやAMDのAPUなど、近年はCPUに内蔵されているグラフィックス機能も無視できないレベルになってきました。

しかしDirectX 12環境のEMA構成であれば、こういった内蔵グラフィックスと外部グラフィックボードを「合体」させ、性能を向上させられるのだそうです。

これまでであれば、内蔵グラフィックスが「10」の性能だとして、「12」の性能が欲しくなった場合、「15」程度のグラフィックボードに処理を交代しているイメージでした。

しかし、DirectX 12環境では追加で「10」程度のグラフィックボードを買えば、「10+10=20」となり、性能15のグラフィックボードを買うよりもお得かつ高性能な環境を構築できることになりますね。

ただし、DirectX 12に対応したゲームであることが大前提ですから、最新ゲームの一部しか恩恵はないといえるでしょう。

しかし自作PCやBTOパソコンで、グラフィック性能を簡単かつお得にアップできる方法が開発されたことは、今後重要な知識になってくると思いますよ。ぜひ覚えておいてくださいね。

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