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M.2 SSDの運用にはヒートシンク+グラボファンが必須
もはやゲーミングPCのメインストレージとして完全に定着したM.2 SSDですが、ヒートシンクの設置で悩む方がいるようです。
ヒートシンクはちょっと邪魔に感じてしまったり、取り付けが面倒くさかったりしますからね。私も裸で運用していた時代がありました。
しかし、M.2 SSDはCPUなみにヒートシンクの効果が出やすいのです。
無視できないヒートシンクの冷却効果
まず、M.2 SSDにヒートシンクを設置したときとそうでないときで、どれくらいの温度差があるかを見てみます。
ちょっと古いのですが、IntelのM.2 SSDを用いて実験してみると、
・未装着時最大温度…75℃(サーマルスロットリング発生)
・装着時最大温度…58℃
という結果になりました。ちなみにヒートシンクは長尾製作所の「SS-M2S-HS01」を使用しています。
58℃という温度をどう捉えるかですが、一般的にM.2 SSDは70℃を超えるとサーマルスロットリングのリスクが大きくなります。一方、60℃未満ではかなり安定しているため、この10℃は非常に大きな壁です。
ヒートシンクを装着することで10℃以上の冷却が確実に見込めるため、実は非常にコスパが良いパーツだと言えます。
ちなみに長尾製作所の「SS-M2S-HS01」は実売価格で1000~1200円程度。私は4年以上使用していますが、特に劣化などはありません。
構造がシンプルなので寿命も気にしなくてよいですし、装着しているテープを張り替えるだけで何度でも使用できます。
トップフロー型CPUクーラーでも冷却可能?
M.2 SSDにヒートシンクを設置しない方の言い分として「トップフロー型CPUクーラーがM.2 SSDを冷やしてくれるので問題ない」というものがあります。
確かにそのとおりなのですが、この考え方ですとCPUクーラーがトップフロー型に固定されてしまいますよね。
トップフロー型CPUクーラーは確かに便利なのですが、PC全体の冷却を考えると現代ではサイドフロー型が有利です。高TDPなCPUが増えており、こうしたCPUに対応できる製品の大半がサイドフロー型。
サイドフロー型にするとトップフロー型よりもM.2 SSD周辺に流れるエアーは減少するはずですが、そのわずかなエアーフローでも冷却効果を得るためにヒートシンクが必須なのです。
ヒートシンクさえつけておけば、CPUクーラーのタイプに関係なく、安定動作が可能な温度をキープできますからね。
M.2 SSD+グラボファンで冷却効果は最大に
実は、M.2 SSDの冷却において重要なのはCPUファンよりもグラボのファンのほうです。
実際にM.2 SSDを稼働させて「ヒートシンクの有無」「グラボファンの有無」で冷却能力を並べてみると、冷却能力の高い順に
・ヒートシンク+グラボファンあり
・グラボファンのみ
・ヒートシンクのみ
・いずれもなし
という結果になります。ヒートシンク+グラボファンが最も冷えるのは当然ですが、意外なのが「グラボファンのみ」のほうが「ヒートシンクのみ」より冷える点ですね。
この差は結構大きく、グラボファンでエアフローが発生している状態では60℃台をキープできるのに対し、ヒートシンクのみだと70℃近くまで達してしまうほど。
もちろん、実際の温度はM.2 SSDの個体差もあってバラバラなのですが、どの製品でも同じような傾向が確認できます。
というあたりを考慮すると、グラボファンは最低でも1つあったほうが良いですし、できれば2連ファンのモデルを確保したいですね。
逆にグラボファンがしっかり機能すれば、CPUクーラーは小型でも良いのかなと思います。