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実はストレス源?「タッチスクリーン」の闇
スマートフォンに始まり、タブレットやゲーム機、カーナビ(ディスプレイオーディオ)などタッチスクリーンによる操作が増えてきした。
一見、先進的で便利になっているように見えて、実は不便になっているのではないかと感じたことはないでしょうか。
あなたのその感覚、正解かもしれません。今回はタッチスクリーンに関する意外な事実を紹介します。
米軍が公表「タッチスクリーンから物理スロットルへ戻す」
米海軍海洋システム司令部では、駆逐艦の操作に関してタッチスクリーンを廃止し物理的なスロットルへ戻すことを決断したとのこと。
衝撃的なニュースですが、普段からタッチスクリーンベースの操舵システムは不評であり、ストレスの源になっていたとの報道があるようです。
また、緊急時に乗組員たちはバックアップ用の操舵システムを使っていたことも明らかになっています。このバックアップシステムはトラックボールとボタンによるもので、いわゆる物理式の操舵システムです。
軍隊のように精密さが常に要求される分野では、かねてからタッチスクリーンの「ファジーさ」がリスクとされてきました。
考えてみれば当然なのですが、せっかく人間に搭載されている「指先の感覚」という優れたセンサーを使わずに、すべて視覚に任せてしまうので負担は大きいですよね。
良い例がスマートフォンです。スマートフォンだけに慣れ親しんだ方は分からないと思いますが、操作性はガラケーのほうが良かったという方が沢山います。
ガラケーはハードスイッチ(物理式スイッチ)の塊であり、指先の感覚だけで基本操作を行うことができました。
ガラケー時代はよくあった「ポケットから携帯を取り出して、一回も携帯を見ずに通話を開始する」という動作は、スマートフォン時代になって見られなくなりましたよね。
スマートフォンは、「視覚的」「直観的」を重視するあまり、人間の体がもつ視覚以外の感覚を使えないように進化してしまった結果と言えるでしょう。
実は脆弱なタッチスクリーン
そもそもタッチスクリーンは、システムとして弱いのです。手が水分や汚れがあると反応しませんし、反応したとしても誤動作が起こります。
また、スクリーンが割れてしまうとすべての操作が不可能になる、スイッチの範囲が明確でないことによる誤操作など、リスクの塊です。
それでも普及した背景には、スマートな見た目と、物理的なスイッチがなくても反応するという「新鮮さ」があったのかもしれません。
また、単純に製造コストを比べると、パネル一枚だけでUIを統一できるタッチスクリーンは低コストになり、物理式に比べて利幅を確保しやすいとも考えられます。
キーボードが永遠に変わらない理由でもある
PCゲーマーが最も長く頻繁に触れる「キーボード」も、タッチパネルにはなりませんよね。数年前に机に投影したキーを操作するバーチャルキーボードが現れましたが、一向に普及しません。
細かく頻繁に動作する部分は、物理的な反応を触覚で検知できる方式のほうが向いているのです。ブラインドタッチも、バーチャルキーボードでやると途端に難易度が高くなるのはこのためです。
ちなみに古参のPCファンの中には、物理スイッチを愛する人がとても多いですね。「スイッチを押す」「つまんで回す」という手の感覚が気持ち良いですし、誤操作も起きにくいからだとか。
タッチスクリーンは皆が思うほど便利な仕組みでなく、単にコストや新鮮さの面から評価されているかもしれない、というお話でした。