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メンブレンでも超打ちやすいレアなキーボード
ゲーミングキーボードといえばメカニカル、という印象を持つ方が多いと思いますが、実はメンブレンにも「名機」が存在します。
今回は、すでに市場には出回っていない超レアなメンブレンキーボードを紹介します。
知る人ぞ知る超名機「FMV-KB311」
かつて、富士通の一般向けPC「FMV」に付属するキーボードが、メンブレンキーボードの完成形と言われていました。
このキーボードは「FMV-KB311」という型名で、通称「KB311」と呼ばれています。私も使用したことがありますが、2000年代の初めころなので最近まで気が付きませんでした。
当時は、そもそもメンブレンやパンタグラフ、メカニカルというキーボードの区分け自体もよくわかっておらず、ただ何となく「手触りがいいキーボードだな」と思っていましたね。
当時はFMVのミドルレンジクラスでも23万円ほどの価格でした。付属品の質もかなり良く、キーボードはそこから10年ほど全く壊れなかったです。
このKB311ですが、数年前まではたまにヤフオクなどで見かけました。ちなみにKB311以降はコストダウンなどの影響からキータッチが劣化したと言われており、それがKB311のレア度を押し上げる要因にもなっています。
シルキータッチと呼ばれるメンブレンの傑作
KB311が今でも固定ファンの心をつかみ続ける理由は、メカニカルキーボードよりもソフトでありながら、メンブレン特有の「グニャ」という感じがない独特なキータッチを実現していたからです。
通称「シルキータッチ」と呼ばれているそうで、メカニカルでもメンブレンでもない、独特の軽さが評判でした。
私も過去の古い記憶をたどってみると、確かに「あのFMVのキーボードはメンブレンだったのか…?」と思うほど良くできていましたね。
今で言うメンブレンの感覚ではなく、なんとなく赤軸とメンブレンを混ぜ合わせたような軽さがあったのを覚えています。ただ、当時は赤軸を使ったことがなかったので、その価値に気が付きませんでした。
ちなみにKB311のスペックは以下の通りです。
・本体重量は1.5kg程度とやや重い
・キートップはつや消し仕上げ
・白とグレーのキー
・キーはPBT(ポリブチレンテレフタレート)製
現在のキーボードは、安価なモデルからミドルグレードまでABS樹脂のキーボードが使われています。ABS樹脂は加工性が高い一方で、紫外線での変色や経年劣化が激しい素材ですね。
KB311に使用されているのはPBTで、ABSよりも高価な反面、耐久性は抜群。実際に10年以上たってからヤフオクなどに出品された品でも変色はありませんでした。
また、打鍵音もABSが「カチャカチャ」という音を出すのに対し、PBTは「コトコト」という落ち着いた音を出します。こうした耐久性の高さや高級感が今でもマニアの心をつかむ要因なのでしょうね。
メカニカルに飽きたら一度は使ってみても良い
KB311は、今でも根気よく探せば中古品が手に入る可能性があります。私が最後にみかけたのは、4年ほど前で、秋葉原の中古PCショップだった気がしますね。
狙い目は、事務用のPCである「事務コン」と呼ばれる専用コンピューターの中古品などでしょうか。セットでKB311が付属していることがあります。
また、OEM生産された時の型番である「KB-8520」という名称で売られていることもあるようです。今ではかなりレアなキーボードですが、疲れにくくスムーズに打鍵できるので、見かけたらぜひ触ってみてください。