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今はどうなってる?SLIとクロスファイアがほぼ見かけなくなった件

   

かつて、ゲーマーたちが最高のゲームパフォーマンスを追求するために用いたSLI(Scalable Link Interface)とCrossfire。

どちらもいわゆる「グラボ2枚刺し」の技術ですが、現在、ほとんど見かけなくなっています。ここではグラボ2枚刺しの技術が全く見かけなくなった理由を整理してみました。

SLIとCrossfireとは?

SLI(NVIDIA)とCrossfire(AMD)は、複数のグラフィックカードを並行利用し、ゲームのフレームレートや解像度を向上させる技術。

2000年代の前半に大流行し、当時のゲーマーたちは高いパフォーマンスを求めてこれらの技術を活用していました。私もやりましたね、SLIでグラボ2枚刺し。

当時のグラボはSLI前提で作られていたものもあり、何より「2枚同時に刺すかっこよさ」がウケていたように思います。

急激に衰退したSLIとクロスファイア

しかし、近年SLIやクロスファイアを使用している一般ユーザーはほとんどいません。私もとっくの昔に使用をやめましたし、友人知人でもいませんね。

なぜここまで急に衰退したのか。その主な原因は以下の通りです。

そもそも1枚で十分すぎる現状

今日のグラボは非常に高性能で、単一のカードでも高いパフォーマンスが得られるようになりました。

例えば、NVIDIAのRTXシリーズやAMDのRXシリーズは、1枚であっても「最新のゲームで、最高設定で」快適にプレイ可能です。つまりわざわざ複数のカードを使用する必要性が減ったわけです。

この流れは特に2010年代に入ってから顕著ですね。私も最後にSLIを組んだのは10年以上前だったと記憶しています。

コストとパフォーマンスが見合っていない

SLIやクロスファイアを使用しても、期待通りのパフォーマンス向上が得られないことがほとんどです。2枚刺しでも性能は2倍にならず、せいぜい1.6倍程度。

逆に、フレームタイミングの不一致やマイクロスタッタリング(小さなカクつき)が問題となり、シングルカード構成よりも安定性や快適さが劣るケースすらありました。

また、現在のゲーム環境で重視される「低レイテンシー(レスポンス向上)」は2枚刺し構成ではほとんど得られません。結局この点が「金かかるわりにもっさりのまま」という評価につながったと思います。

しかもただでさえ高額なグラボを、全く同じグレードのものを2枚買うという非効率さ。これは大流行していた当時から指摘されていましたね。

開発側も大変だった

SLIやクロスファイアの効果を得るためには、ゲーム開発側がこれらの技術をサポートするコードを組み込まなくてはなりません。

しかし、これには多くの時間と労力が必要であり、開発費の増大にもつながります。多くの開発企業は「大して効果がないのに高額な費用がかかる」これらの技術のサポートを避けるようになりました。

結局、今どうなってるの?

現在、SLIやクロスファイアは個人用途以外のところでギリギリ生き残っている状態ですね。一般ゲーマーの間ではほとんど使用されていません。

NVIDIAのRTX3090にはNVLinkというSLIに似た機能が搭載されていますが、ゲーム以外の用途を想定していて、一般のゲーマーはほとんど使用していませんでした。

さらにRTX4090では回路図にNVLinkという記載自体がなく、すでに終わったものという扱いのようですね。NVLinkに計算資源を割くよりも、CUDAコアの増量など基本性能の向上に向かっているのが実情です。

今後も単一カードの性能向上が進む中で、SLIやクロスファイア、NVLinkなどのマルチGPU技術が再び主流になることは考えにくいでしょう。

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