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サブスクリプション方式のソフトウェアが増えている理由
ソフトウェアの使用権を期間限定で購入するサブスクリプション方式のソフトウェアは2013年頃に登場し、多くのメーカーが採用しているライセンス形態の一つです。現在も買い切り型のライセンスが多く使われていますが、AdobeやMicrosoftなどシェアの大きい製品ほどサブスクリプション方式への転換が進んでいます。そこで今回はサブスクリプション方式のソフトウェアが増えているわけをご紹介します。
パソコンの買い換えサイクルが遅くなった結果、販売の機会が減ったソフトウェア製品
Windows7が登場した頃からハードウェアの品質や製品寿命が向上し、さらにWindows10への無償アップグレードキャンペーンにより多くのWindows7パソコンがWindows10として現役で活躍できるようになりました。その結果、新しいOSが出たからパソコンを買い換えるという現象が起こらず、古いパソコンのままWindows10と旧世代のソフトウェアを使い続けるユーザーが増えソフトウェアが売れる機会も減少してしまいました。製品が売れなければ新たな製品をリリースすることは難しく、業績が低迷するソフトウェアメーカーが採用し始めたのがサブスクリプション方式です。
クラウドサーバーやライセンスサーバーの維持費が捻出しやすい
ユーザーデータの保存や共有に使われるデータサーバーやクラウドサーバーは昨今の通信データ量増加の影響を大きく受けており膨大な運用コストがかかっています。コンスタントに運用コストを捻出する上で定期的に確実な収益が見込めるサブスクリプション方式はサーバーの運用計画を立てやすく、ライセンス認証を行うサーバーの維持にも適しています。最近ではクラウドストレージ機能付き製品をサブスクリプション方式、クラウドストレージ機能なし製品を買い切りライセンスでリリースするメーカーも出てきています。
長期的にユーザーを囲い込み、解約し忘れによる非アクティブユーザーからの収益を見込める
サブスクリプション方式のライセンス形態を採用している製品の多くがクレジットカード情報を事前に登録し、自動的に契約を更新し続けるサービスを提供しています。意図せぬ解約や利用できなくなる期間をなくせるというメリットをメーカーがアピールする一方で、実際には解約し忘れたユーザーからも収益が見込めるというメーカー側の狙いがあります。ユーザーがソフトウェアを一切使用しなくても手動解約しない限り、メーカーは半永久的に収益を得ることができるため非アクティブユーザー層が食い物にされる点には注意が必要です。
最新版を使うユーザーが多いほどソフトウェアの買い替え需要が高まる
サブスクリプション方式のメリットのひとつに契約期間中は最新版のソフトウェアが利用できるというものがありますが、これも製品の世代交代を推し進める狙いがあります。安定した収益で新リリースを繰り返せば、古いバージョンのユーザーも移行せざるをえなくなりパソコンの買い替え需要に頼らずソフトウェア製品の購入機会を作ることが可能です。ソフトウェアの場合、製品の世代によってサポート期間を設定することが慣例化しておりサブスクリプション方式で世代を更新し続ければ古いユーザーを切り捨てることが正当化でき商業的にもメリットしかありません。
オンラインで常に認証することで海賊版対策にもなる
クラックやプロダクトキーの使い回しはいつの時代も問題となってきましたが、ユーザー情報でログインさせるサブスクリプション方式では海賊版やクラックへの対策に繋がっています。特に製品価格が高額なソフトウェアほど買い切り型のライセンスを廃止し、サブスクリプション方式へ一本化することで正規ユーザーを増やすことに成功しています。もちろんサブスクリプション方式でもクラックされてしまうことはありますが、こまめにバージョンアップし対策を講じやすい点もメーカー側にとって大きなメリットです。
まとめ
ユーザーのメリットよりも商業的な理由で採用が進んでいるサブスクリプション方式は今後のソフトウェアライセンスの要となることは間違いありません。ソフトウェアメーカーが事業を継続できなければ損害を被るのは利用しているユーザーのため一方的に批判することはできませんが、自動契約サービスやアカウントの漏洩には十分注意しながら付き合っていきましょう。