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SSDがさらに進化?SEF(Software-Enabled Flash)とは何か
2022年ころからビジネス用途のSSDにおいて、「SEF(Software-Enabled Flash)」という技術が注目されています。
ゲーミングPC界隈ではほとんど目にすることのない単語ですが、実用化が進めば、SSDの速度が飛躍的に向上するかもしれません。
そこで将来的にゲーミングPCにも使われるかもしれない「SEF(Software-Enabled Flash)」について現時点の情報をまとめてみたいと思います。
SEF(Software-Enabled Flash)とは
SEFとは、キオクシアが開発中であり「SSDの真の性能を解放する」と噂されている技術です。
正式名称は「Software-Enabled Flash」であり、直訳するとソフトウェアで制御するNAND型フラッシュメモリということになるでしょう。
現在、ビジネス用途で使われているSSDの多くは、HDDの時代に作られたインタフェースにSSDを接続しています。しかし、インタフェース仕様がネックになってSSDの性能を100%使い切れていないのが実情です。
キオクシアではこうした状況を打破すべく、SEFを設計したとのこと。SEFの設計は2020年に開始され、2022年には業界団体を通じて公開されています。
現時点で公開されている情報としては、
- SEF対応の専用SSDが存在する
- 専用SSDの規格は「E1.L」である
- 「E1.L」はNVMe準拠のフォームファクター「EDSFF」を採用している
- データ記憶方式はQLCを採用
などであり、主にデータセンター向けのソリューションとして開発されているようです。
SEFの採用でできるようになること
SEF対応のSSDを使用することで、旧来のSSDにないメリットが受けられるようです。以下はキオクシアからの発表を要約したものです。
- NAND型フラッシュメモリの機能や動作制御をソフトウェア開発者側が行えるようになる
- SSDコントローラーが原因の動作遅延を解決できる
- 活用できていない空き容量や断片化、サイロ化した容量を有効活用できる
- 記録位置をある程度調節できるようになる
特にキオクシアが強調しているのは、最後の「記憶位置」の点ですね。SSDに革命をもたらした技術としてはNVMeがありますが、NVMeであっても実際のデータ記録はHDDと同じような方法で行われているとのこと。
SEFではこの方法から完全に脱却することを目指していて、ソフトウェアによってSSDを最も効率よく使えるようにしているのだとか。
なので、SEFに対応したSSDでは「容量を無駄なく効率よく使える」「ソフトウェア制御によって遅延の発生が防げる」という2点が主なメリットになりそうですね。
ゲーミングPCにSEFは適用されるか
まあ…普通に考えると可能性は低いでしょう。しかしこれまでもデータセンター向けに開発された技術が、一般のPC向けに降りてくることはありました。
NVMeも、現在はBtoC、BtoBの両面で使われているので、SEFについても可能性はゼロではありません。ただし、SSDを細かく制御できるソフトウェア開発を我々一般人が行えるかと言われれば、それは難しいですよね。
仮にどこかのベンダーが、SEFの特徴を盛り込んだ専用ツールを抱き合わせで提供してくれれば、ゲーミングPCにも使えるかもしれません。
また、SEFに似た技術を他のベンダーが開発すれば、これまで以上の性能を発揮するSSDが登場する可能性もあります。現状、NVMe以外の革新的な技術がないSSD界隈ですが、今後に期待していきたいですね。