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知られざるマザーボードの製造工程

   

自作PCやBTOパソコンに慣れてくると、最も気になるパーツが「マザーボード」になったりします。

なぜなら、すべてのパーツをコントロールする母体であり、マザーボードの品質=ゲーミングPCの品質と言っても過言ではないからです。

このマザーボード、どうやって作られるかご存じですか?今回はあまり知られていないマザーボードの製造工程を紹介します。

マザーボードの製造工程は大きく2つ

マザーボードは、「SMT工程」と「DIP工程」と呼ばれる2つの工程でその大半が造られます。

SMTとは「Surface Mount Technology」の略語で、回路基板の表面に電子部品を半田付けする技術のことです。

したがって、SMT工程とは「まっさらな基盤に半田で部品をつけていく工程」と言えます。日本語では「表面実装工程」とも呼ばれますね。

これに対してDIPとは、「Dual Inline Package」の略語で、半導体修正回路を長方形に加工し、両端に足のようなピンを付与する技術です。

つまりDIP工程とは、ピンがついている半導体集積路を基盤に挿入していく作業で、日本語では「挿入部品実装工程」と翻訳されます。

実際にやることの原理はSMT工程と同じ半田付けなのですが、DIP工程のほうが部品は大きく、手作業が伴いますね。

この2つの工程を踏まえたうえで、マザーボードが作られる製造工程を見ていきましょう。

実際のマザーボード製造工程

ちなみにこの情報は10年近く前のものですので、現在の工場はもう少し効率化されているかもしれません。ただし、基本的な工程はあまり変わっていないと思います。

SMT工程1:まっさらな状態のマザーボードに機械で半田を印刷するように添付する
SMT工程2:半田が印刷されたマザーボードをさらに別の機械に通し、チップを乗せる
SMT工程3:半田に沿うようにチップが乗せられたマザーボードをオーブンのような機械で加熱し、チップを固定する
SMT工程4:目視などで不具合やミスがないかを確認

DIP工程:メモリスロット、拡張スロット、インタフェース類など比較的大きな電子回路の挿入

テスト工程:完成したマザーボードのテストを行う

テスト工程では、自作ユーザーが使うような「まな板」の巨大版のような機械にマザーボードを乗せ、通電など各種テストを行います。

ここまででマザーボード製造工程の大半が完了します。また、テストが完了したマザーボードはパッケージされ、出荷準備に入るといった段取りですね。

高品質な海外製のマザーボード

一般的なPC向けのマザーボードの大半は海外製です。特に台湾はマザーボード製造大国と言っても過言ではないほど。

日本でもマザーボードは製造されていますが、その多くは産業機器へ組み込むためのものであり、一般のPC向けではありません。

将来的にはわかりませんが、当分の間は海外製造のマザーボードを使ってPCが作られることは間違いないでしょうね。

日本の人件費が海外よりも安くなっていけば製造工場が作られるかもしれませんが、いまのところは台湾を中心にアジア諸国で製造されています。

私が初めて自作PCに触れた20年近く前に比べると、マザーボードの品質は相当上がりました。通電しない、BIOSが起動しないといったトラブルは10年近く見たことがありません。

その背景にはマザーボードを製造している海外の製造技術の工場があるわけです。いつの日か、純粋な日本製のマザーボードが生まれると良いですね。

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