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CPUのL1、L2、L3キャッシュの特徴と役割

   

CPUの性能を決定づける要素のひとつとして「キャッシュ」があります。CPUのキャッシュは、コアからの距離や容量によって種類が分けられており、それぞれ特徴と役割が異なります。

普段はあまり意識することがないのですが、実はクロック周波数よりも重要だったりするのがこのキャッシュ。

今回は、意外と知られていない「CPUのL1、L2、L3キャッシュの特徴と役割」をまとめてみました。

CPUのキャッシュとは?

CPUのキャッシュとは、プロセッサがデータや命令に高速でアクセスするための小容量で超高速なメモリです。

メインメモリ(RAM)よりも近い場所に配置され、頻繁に使用されるデータを一時的に保存することで、処理速度を向上させます。

キャッシュとメインメモリ(RAM)の違いは「本棚と机の引き出し」に例えるとわかりやすいですね。

キャッシュは机の引き出しのようなものです。すぐ手が届く場所にあり、頻繁に使う物や重要な物を入れておくスペースです。引き出しは容量が小さいけれど、必要な物を素早く取り出せます。

一方、メインメモリは部屋の本棚に似ています。本棚には多くの本を収納できますが、引き出しほど近くにないため、本を取りに行くには少し時間がかかります。

このように、キャッシュは「高速だけれど小容量」、メインメモリは「大容量だけれど低速」という特性を持っています。

CPUは、キャッシュに必要なデータを一時保存しておくことで、わざわざ本棚(メインメモリ)まで取りに行く時間を減らし、作業効率を上げているのです。

CPUのキャッシュメモリ(L1、L2、L3)の種類、特徴、役割

CPUのキャッシュメモリ(L1、L2、L3)は、高速なメモリ層で、プロセッサがデータや命令に素早くアクセスできるようにする役割を果たします。それぞれ異なる特徴と役割があるので整理していきましょう。

L1キャッシュ

位置: CPUコアに直接統合
サイズ: 非常に小さい(数十KB程度)。
速度: 非常に高速で、CPUの動作クロックとほぼ同じ速度で動作。

L1キャッシュはCPUコアに直接統合されており、非常に高速ですが容量は小さいのが特徴です(通常、数十KB程度)。

このキャッシュは、CPUが頻繁に使用するデータや命令を格納するため、プロセッサが必要な情報に即座にアクセスできるように設計されています。

また、L1キャッシュは命令用とデータ用に分かれていることが多く、専用化によって効率性を高めています。

L2キャッシュ

位置: 各CPUコアごとに割り当てられ、L1より少し遠い。
サイズ: L1より大きい(数百KB~数MB程度)。
速度: L1より遅いが、メインメモリ(RAM)よりははるかに高速。

L2キャッシュはL1キャッシュの次に位置し、各CPUコアごとに独立して割り当てられている場合が一般的です。

その容量はL1より大きく(数百KB~数MB)、速度はやや遅いですが、L1キャッシュに収まりきらないデータを補完します。一部の設計では、L2キャッシュが複数のコア間で共有される場合もあります。

L3キャッシュ

位置: CPU全体で共有されることが多い(全コアで共用)。
サイズ: L1やL2よりはるかに大きい(数MB~数十MB)。
速度: L2より遅いが、メインメモリよりは高速。

L3キャッシュはL1やL2よりもさらに大きな容量を持ち(数MB~数十MB程度)、CPU内のすべてのコアで共有されることが一般的です。

L1やL2で見つからないデータを提供し、さらにコア間のデータ共有を円滑にする役割を持っています。速度はL2より遅いものの、メインメモリよりは高速で、CPU全体の効率向上に寄与します。

CPU選びで迷ったらキャッシュ容量にも注目しよう

このようにキャッシュは、CPUに最も近い「データ保管場所」であり、その容量が大きいほど有利です。

メモリやストレージよりも近くにあるので、「手を伸ばせば届く場所」のようなイメージですね。ゲームのように高解像度のデータを大量に扱う場合はキャッシュ容量の大きさが効いてくるので、ぜひCPU選びに活用してみてください。

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