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IPv4の枯渇とユーザーの受ける影響
世界中でIPv4が不足しているというニュースが定期的に流れてますが、普段ネットを使う中で体感することはないのではないでしょうか?グローバルアドレスは国ごとに割り当て範囲が決められており、日本も将来的には枯渇すると予想されているものの延命処置により一般ユーザーが影響なくネットを使えています。しかしIoT機器やホームネットワークを構築する際には、この延命処置が影響することもあり回線契約やネットワーク機器の変更も検討するケースがあります。そこで今回は、IPv4の枯渇とユーザーの受ける影響についてご紹介します。
インターネット利用者とサーバーの爆発的増加が枯渇を加速させた
IPv4に関するルールが作られた1980年当時は現在のように世界中の人々が複数の回線を所有するような利用形態は想定できず、2000年以降にユーザーが爆発的増加したことがIPv4の枯渇を加速させました。今では回線ごとにIPv4のグローバルアドレスを使って通信し、膨大な数のサーバーがIPv4接続を受け付けるためにグローバルアドレスを必要とします。個人ユーザーであっととしても、宅外からのリモートアクセス時にはIPv4のグローバルアドレスからアクセスすることが一般的でありIPv4の必要性は日々高まり続けています。
本来はIPv6へ移行することで解決するはずだったものの完全移行には課題がある
IPv4の枯渇は早い時点で判明していたため、より多くのアドレスを割り振れるIPv6が策定されることになりました。しかしIPv6へ移行するには旧世代のネットワーク機器を買い換えるなどのコストがかかり、さらにサーバーとユーザーの両方がIPv6へ同時に移行する必要もありました。そのためIPv4とIPv6が混在する状況が続いており、完全なIPv6化はまだまだ先になると予想されています。
IPv4のグローバルアドレスを割り当ててもらうには回線業者やプランを調べる必要がある
ゲームサーバーやホームネットワークを宅外からのリモートアクセスする際にはIPv4のグローバルアドレスを取得することが一般的です。世界中に一人だけしか使っていないアドレスを持つことで、簡単な設定を済ませればサーバーとして稼働させることが可能です。しかし、IPv4の枯渇を防ぐために回線事業者は多くの工夫を凝らしており、ひとつのグローバルアドレスを複数人で共有する方式や定期的にIPを変更させて使っていないIPを回収する方式が存在します。前者の方式では追加契約で自分専用のグローバルアドレスを割り当てることができる場合があり、後者の場合はDNSの利用や法人向けの固定グローバルアドレスの割り当てがあるプランへ変更することが理想です。
ユーザーがIPv6へ移行するにはネット回線やネットワーク機器の切り替えが必須
一般ユーザーがIPv6へ移行するにはまず、IPv6対応の回線サービスへ切り替える必要があります。現在主流のIPv4のPPPoE接続からIPv4 over IPv6接続へ変更することになりますが、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の変更だけで済む場合や回線契約を解除して再工事になるなど個々の状況により様々です。最近では希ですが、IPv6に未対応の大手ISPも存在しており今の回線契約とISPが提供しているサービスの見極めが重要です。
ユーザーがIPv4からIPv6へ移行するメリットはほとんどない
一般ユーザーはIPv6へ対応することで回線速度の改善などが期待できますが、ルーターなどの買い換えや回線契約の変更にかけるコストと釣り合うとは限りません。特にホームネットワークを活用しようとするならIPv4のほうが利便性が良く、どんな回線からも接続できるという点でIPv6にはかないません。IPv6化することでIPv6からしかアクセスできなくなり、ホテルや外出先からアクセス不能になっては本末転倒と言えます。
まとめ
ネットをフルに活用するならIPv4のグローバルアドレスは必須であり、完全に枯渇しないようにISPが対処している中ではいつまで今の料金体系のまま維持出来るか不透明です。唯一の解決手段であるIPv6への移行も非常に遅く、ユーザーができる対策はほとんどないに等しいですが新たにネットワーク機器を購入する際はIPv6へ完全移行しても動作するかどうかチェックしておくことで、いざという時のコストを抑えることが出来るのではないでしょうか。