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ストレージ性能比較に使われるCrystal Disk Mark
HDDやSSDのストレージのベンチマークソフトとして有名なCrystal Disk Markですがバージョンによって測定項目が異なり、ストレージメーカーが公表するベンチマークとも部分的に異なる結果が出ること珍しくありません。購入前により正確な比較を行うには数値の意味を正しく知る必要があります。そこで今回はCrystal Disk Markのバージョンごとの違いと各測定項目をご紹介します。
Ver.3以前の測定結果は比較に用いない
Ver.4以降から現行のVer.6はMicrosoftが提供しているdiskspdをベースにスコアを計測しており、Ver.3以前のベンチマーク結果とは大きく異なります。HDDなど発売期間が長い製品ではVer.3以前の計測結果がネット上に掲載されたまま更新されていないケースも多く、比較する際はCrystal Disk Markのバージョンを確認しましょう。
Seqは連続しているデータ領域への読み書き
ストレージメーカーが公表する読み書き速度はSeqをベースにしているケースがほとんどです。データの断片化が進んでおらず1ファイルのサイズが大きい場合はメーカー公称の速度が出やすいものの、実際にはOSや常駐ソフトウェアの読み書きも同時に行い断片化も進むため、常にこの速度が出る環境は限られています。そこで実際の使用状況に合わせて断片化を想定したランダムアクセスでスコアを計測することが現在の主流となっています。
Ver.6の測定項目は4項目
Ver.5の連続しているデータ領域への読み書き速度を計測する「Seq」の項目が廃止され、代わりに「4Kib Q8T8」が追加されています。
Seq Q32T1
連続している領域へデータを128Kibごとに分割し、32個の命令を1本として処理する方法です。ファイルサイズの大きいデータへ対する性能を測ることが出来ます。
4KiB Q8T8
分散した領域へデータを4Kibごとに分割し、8個の命令を8本として処理する方法です。Seq Q32T1よりも処理が重く、特にランダムアクセスが遅いHDDでは顕著にスコアが伸びなくなります。この4KiB Q8T8以降は実際にストレージを使用するときに近い読み書き環境のため、この計測項目より下のスコアが高いほどOSの起動やオンラインゲームの読み込みなどの体感速度が速くなります。
4KiB Q32T1
分散した領域へデータを4Kibごとに分割し、32個の命令を1本として処理する方法です。
4KiB Q1T1
分散した領域へデータを4Kibごとに分割し、1個の命令を1本として処理する方法です。計測項目の中で最も処理が重く、SSDではこの項目がどれだけ高いスコアかが重要と言えます。
Seq
Ver.4とVer.5で計測していた項目で連続している領域へデータを1Mibごとに分割し、1個の命令を1本として処理する方法です。
まとめ
一見難解な各項目ですが、Ver.6からは処理が軽い順に項目が並んでおり、下の重い項目のスコアが高いほど実際の使用で体感的にも早くなります。ストレージ性能を比較する際は各項目を照らし合わせて正しく比較することで性能を見誤らないように注意しましょう。