どすらぼ

ドスパラのおすすめパソコンを本気で評価

*

※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

パスワードが分からなくても解除可能なExcelの保護パスワード

   

Excelには編集可能な範囲を指定し、必要以上の改変を防ぐ機能が古くから実装されています。これはExcelファイルの作成者が配布時に意図して保護したケースや、操作ミスによるトラブルを回避する目的で保護するケースなどがあります。一度保護するとパスワードなしには解除できませんが、作成者がパスワードを忘れてしまった場合やオリジナルの作者が誰なのか分からず必要な編集が出来なくなる等にトラブルに繋がることも珍しくありません。しかし、一定上のパソコンスキルさえあれば保護パスワードを強引に無効化することが可能です。そこで今回は、パスワードが分からなくても解除可能なExcelの保護パスワードについてご紹介します。

Excelファイルの実態はZIPファイルなので解凍して内容の書き換えが可能

ExcelファイルはOffice2003までは独自形式でしたが、Office2007からXMLベースに変更されており拡張子も「.xls」から「.xlsx」へ変わっています。しかし、その実態はワークシートと関連するXMLファイルを圧縮してひとつのZIPファイルにまとめたものです。保護パスワードはこのXMLファイルに記述されており、この記述内容を削除することで保護パスワードそのものがなくなります。当然、このファイル操作を行うには拡張子の表示、拡張子をZIPへ書き換え、ファイル解凍、XML編集、再度圧縮しZIPファイルへ、拡張子をXLSXへ戻すという各行程について理解が不可欠です。なお、Excelファイルの保護にはシートの保護とブックの保護があり、それぞれ記述されるXMLファイルが異なるため解除したい対象がどちらなのか事前に確認する必要があります。但し、削除すべき項目は「Protection」が含まれる行のみであり、手当たり次第キーワード検索をかけてしまう方法も有効です。

VBAマクロの読み取りパスワードも削除可能だが

VBAマクロの編集読み取りもブックやシートの保護と併用されることが多く、VBAマクロが動作しないときに原因を特定できないトラブルに発展しがちです。VBAマクロに関してはXMLファイルではなく、パスワードを無効化するマクロを追加することで突破可能です。もちろんVBAマクロの記述を読んで意味が分かるユーザーでなければ編集も出来ず、意味はありません。またExcelファイルを開いて表示するためのパスワードもXMLファイルの編集では解除できませんが、こちらは簡単に解除できるものではなくサードパーティーのソフトウェアが必要です。

保護の解除はあくまで非常手段

一定のスキルがあれば、比較的簡単に解除できてしまうExcelファイルの保護ですがファイルの作成者がどんなマクロや関数を使って動作させているのか読み解けないと大変なことになりかねません。仮に編集できても式や処理が破綻すれば自動計算なども止まり、手動計算やワークシートに散らばった数式をひとつひとつ確かめながら修復するには長い時間が必要です。

まとめ

仕組みが理解できれば簡単にパスワード解除が可能なExcelの保護ですが、乱用するとExcelファイル内の計算式や処理が破綻するという欠点もあります。しかし、業務で使用していると保護されている箇所の編集が避けられないケースもあり、ユーザーのモラルや作成者の意図をどこまで尊重するのかが試される操作でもあります。どうしてもExcelファイルの保護を解除しなければならない際は、内部で行われている処理を調べ慎重に操作することをおすすめします。

 - ブログ