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「頻繁に再起動」はPCの寿命を縮めるって本当?
PCの動作が不安定なときやアップデート後の反映時など、再起動を行う機会は意外と多いものです。しかし一部では「頻繁な再起動はPCの寿命を縮める」といった話を聞くこともあります。この話は本当なのでしょうか。
また、もし影響があるとすれば、どのパーツにどんな負荷がかかっているのでしょうか。今回は、「頻繁な再起動」による影響を検証しながら、PCを長持ちさせるための再起動との正しい付き合い方を解説します。
再起動で影響を受けやすいパーツは?
PCパーツのなかで、再起動による影響を受けやすいのは、主に以下ですね。
電源ユニット(PSU)
電源ON時には「インラッシュカレント」と呼ばれる突入電流が発生します。
これが繰り返されると、電源内部のコンデンサやスイッチング素子に負荷がかかり、電源寿命を縮める要因となります。
ストレージ(HDD/SSD)
HDDの場合、スピンアップ(ディスク回転開始)とヘッドの駆動が毎回発生するため、機械的ストレスが蓄積します。
SSDの場合も、NAND型メモリに通電状態が切り替わるため、瞬間的な電圧変動がコントローラに影響を与える可能性があります。
ファン類
再起動時の電源投入でファンモーターが急激に回転を始めることが繰り返されると、ベアリング摩耗の原因になります。
ただし、いずれも通常利用の範囲では無視できるレベルの影響です。
ソフトウェア視点:再起動の必要性はむしろ高い
一方で、ソフトウェアの安定性やセキュリティという観点から見ると、適切な再起動はむしろ推奨されます。
OSアップデートの適用
WindowsやmacOSでは、セキュリティパッチやドライバ更新後に再起動が必要です。これは、カーネルやデバイス制御に関わる部分が、再起動によって初めて有効になる構造のためです。
メモリリークの解消
長時間PCを起動しっぱなしにしていると、一部のアプリがメモリ領域を正しく開放しない「メモリリーク」が発生し、PC全体の動作が徐々に重くなる現象が起こります。
再起動を行うことで、使用中のリソースが一旦リセットされてメモリリークが解消され、動作が軽くなる効果があります。
グラボや周辺機器の動作不良時
ドライバの挙動がおかしくなったときや、USB接続の認識が不安定なときは、再起動が最も効果的なリセット手段です。
頻度が問題? どこからが「寿命を縮めるレベル」か
では、「頻繁な再起動」が本当にPC寿命を縮めるのかどうか、という点を整理してみましょう。
結論を言うと「極端に再起動を繰り返していないのであれば、寿命は気にしなくてよい」です。例えば、1日に10回以上の再起動を常態化させているようなケースでは、物理的な劣化リスクが高まる可能性があります。
特に、過電圧設定や電源制御が不安定な環境(OC構成や格安電源)では、再起動時の電流変動が深刻なダメージを与える場合もあります。
一方で、1日1~2回程度の再起動であれば、現代のOSやハードウェア設計では許容範囲です。寿命に大きく影響することはまずありません。むしろ、長期間電源を落とさず熱がこもる状態の方が、全体の劣化を早めるリスクが高いとされています。
正しく再起動と付き合うには
PCの再起動は、決して「悪」ではありません。むしろ、OSやハードウェアの健康を保つために必要なメンテナンス行為でもあります。
特に以下のポイントを押さえることで、寿命を気にせず安全に再起動と付き合うことができます。
・電源ユニットは品質の高いものを選ぶ(80PLUS認証など)
・OSやドライバのアップデート後は必ず再起動を行う
・安定した電源環境(UPSの導入など)を整える
・不具合発生時は遠慮なく再起動してリセットする
このように、適切な再起動はむしろPCの安定性に貢献します。
寿命を気にするより、環境を整えるのが先
「頻繁な再起動はPCを傷める」という言説は、確かに一部のパーツにとっては一理あります。しかしそれは、異常な頻度や不安定な電源環境での話であり、日常的な再起動は問題ありません。
技術的にも、現代のPC設計は一定の再起動や電源投入を想定して作られており、正常な使い方であれば過剰に気にする必要はありません。
私も以前は数か月再起動をしないことがありましたが、現在は3~1週に一度は再起動をかけています。特に寿命が縮まるイメージはないですね。
不具合が起こって強制再起動がかかるほうがはるかにハイリスクなので、定期的な再起動は気にせずどんどんしたほうがいいと思います。