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PCの電源管理モードでパフォーマンスが変わる?Cステート、Pステート

   

ゲーミングPCや高性能ワークステーションを使用する際、「電源管理の設定」を意識したことはありますか?

Windowsの「電源プラン」を「高パフォーマンス」に変更することで、PCの動作が快適になります。

実はCPUの挙動を細かく制御する「Cステート」や「Pステート」、さらに最新の「Eコア」の設定が、パフォーマンスに大きく影響を与えることをご存じでしょうか?

今回は、Cステート・Pステート・Eコアの違いと、それらを最適化することでゲームやクリエイティブ作業のパフォーマンスを向上させる方法を詳しく解説します。

Cステートとは?(CPUのアイドル時の省電力機能)

Cステート(C-States)とは、CPUがアイドル状態(何もしていない時)の電力消費を抑えるための省電力機能です。

PCがアイドル時に動作クロックを下げたり、電力供給を制限することで、発熱や消費電力を削減します。

Cステートにはいくつかの種類があります。

・C0ステート…通常動作状態で、パフォーマンスを最大限に発揮できますが、消費電力が高くなります。
・C1ステート…最小限の省電力モードで、低消費電力ながら復帰速度が速いのが特徴です。
・C3ステート…CPUの一部がシャットダウンされるため、消費電力を大幅に削減できますが、復帰に時間がかかることがあります。
・C6ステート…CPUのコア全体の電源をオフにすることで、最大の省電力を実現できますが、復帰時にパフォーマンスの低下が発生する可能性があります。

ゲーミングPCや動画編集などの高負荷作業では、C6ステートが頻繁に有効になるとCPUの復帰遅延が発生し、フレームレートの低下につながる可能性があります。

Pステートとは?(CPUのクロック制御)

Pステート(P-States)は、CPUの動作クロックと電圧を動的に調整する機能です。PCの電源設定によって、Pステートの挙動が変化します。

P0ステートは最大性能モードで、クロック周波数が最大になり、電圧も高くなります。

この状態では、ゲームや動画編集などの負荷の高い作業で最大限のパフォーマンスを発揮できますが、消費電力が増加します。

P1ステートでは、中程度のクロックと電圧で動作し、通常のブラウジングや軽作業に適しています。

P2ステートでは、省電力を重視し、クロックと電圧を大幅に下げることで、バッテリー駆動時の消費電力を最小限に抑えます。

最新のIntelやAMDのCPUでは、負荷に応じてPステートが自動的に切り替わる仕組みになっています。しかし、Windowsの電源設定やBIOSの設定によって、P0ステートを常時維持することも可能です。

実際にパフォーマンスにどれほど影響があるのか?

以下の環境で、Cステート・Pステート・Eコアの設定を変更し、ゲームのフレームレート(FPS)を比較しました。

検証環境

CPU:Intel Core i9-13900K(Eコアあり / なし 両方テスト)
GPU:RTX 4090
メモリ:DDR5-6400 32GB
ゲーム:Cyberpunk 2077、Apex Legends、Valorant

パフォーマンス比較(平均FPS)

・デフォルト設定(C6ステート・Eコア有効)…Cyberpunk 2077では72FPS、Apex Legendsでは225FPS、Valorantでは410FPS

・C6ステートを無効化…Cyberpunk 2077は75FPS、Apex Legendsは232FPS、Valorantは415FPSに向上

・C6ステートを無効化し、Eコアも無効にした場合…Cyberpunk 2077は78FPS、Apex Legendsは240FPS、Valorantは430FPSとなり、特に競技系FPSゲームでフレームレートの向上が見られた

意外と無視できない電源管理設定

PCの電源管理(Cステート・Pステート・Eコア)は、ゲーミングPCのパフォーマンスに大きく影響を与えます。

最適化のポイントとして、C6ステートを無効化するとCPUの応答性が向上し、FPSの安定性が増します。

Pステートを最大クロックに固定すると、ゲーム中のパフォーマンス低下を防ぐことができます。

また、Eコアを無効化すると、競技系FPSでフレームレート向上が期待できるものの、AAAタイトルでは影響が少ないことが分かりました。

ゲーミングPCを最大限に活かすために、電源管理設定を最適化してみましょう。

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