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Linux・MACでWindows用ソフトウェアを動作可能にするWine
Windowsの強みは膨大なソフトウェア数にあり、パソコンOSのシェアを揺るぎないものにしている要因の一つです。仮想OS等を使わない限りWindows用ソフトウェアを他のLinuxやMACといったOSで動作させることは難しく、業務上必要なソフトウェアの為だけにWindowsマシンを導入する企業もあります。
しかしWindows用ソフトウェアをあらゆる方法で動かす試みは長年続けられており、一定の成果を上げていることも事実です。そこで今回はLinux・MACでWindows用ソフトウェアを動作可能にするWineについてご紹介します。
エミュレーターではなくWindowsAPIでネイティブ動作させるためのWine
Wineは非Windows環境でWindows用ソフトウェアを実行するためにAPIを実装しています。そのため仮想化技術未搭載の下位モデルCPUでもWindows用ソフトウェアをLinuxOS上でも起動出来ます。
Wineは1990年代に開発がスタートし、一部のゲームタイトルやソフトウェアが動作したもののWineの導入やソフトウェアごとにハイレベルな設定が必要なため普及には至りませんでした。
その後はWineを組み込んだLinuxディストリビューション「Lindows」が発売され、派生した別のプロジェクトが誕生し互換性の低さから低迷していく中でも開発は継続されました。
公式サイトには動作するソフトウェア情報とヒントが盛りだくさん
Wineの公式サイトには「AppDB」というページがあり、Wineで動作したWindowsソフトウェアを検索可能です。各ソフトウェアはPlatinum、Gold、Silver、Bronze、Garbageの5段階で評価され、ソフトウェアを動作させるために必要な追加パッケージや設定に関する情報が多く公開されています。
表記は英語のみですが簡潔にまとめられており普段英語を読まないユーザーであっても翻訳サイトなどを活用すれば十分理解できます。
完全に動作しないケースや動作させるために一手間が必要なケースも多い
Windows系のソフトウェアは他のソフトウェアと連動しているものが多く、Wineへインストールしただけでは動作しないものが多くあります。
そのため関連ソフトウェアの導入やホストOSへの設定追加やカスタマイズが欠かせないことも事実です。特に日本語表示の部分でトラブルが起きやすく、日本語表示を可能にする事前設定などが必須です。
Wineから派生した互換ソフトウェアはゲーミングに特化
Wineから派生したソフトウェアは複数存在し、そのほとんどがゲームクライアントの動作に的を絞っています。CrossOverのように市販パッケージとして商用化されているものもあり、DirectXで動作するゲームタイトルも問題なくプレイできる点をアピールしています。
Steamで販売されているゲームも動作実績があり、MACでWindows向けゲームタイトルをプレイする手段として需要があります。
Wineはまだまだ発展途上
Wineの開発はなおも継続されており、2020年1月現在最新の5.0ではマルチモニター環境への対応など改良が加えられています。互換性の問題も引き続き改良が続いています。
非WindowsOSへWineを導入してすぐに使用可能になるところまでには至っていませんが、ユーザーが増えたことで以前よりも様々な情報量が増え、敷居は下がりました。
まとめ
初心者がいきなり扱うには難しいWineですが、パフォーマンスを犠牲にしがちなエミュレーターではない点だけみても挑戦する価値は充分にあります。
通常、仮想マシン化のために上位モデルのCPUやWindowsOSといった投資が必要なところを知識があれば無償で解決できるWineは大きな可能性を秘めています。