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ARM版Windows10の注意点

   

ARMは一般的なx86アーキテクチャとは異なるため従来のOSやソフトウェアを動作させるにはエミュレーションやソフトウェアを再開発する必要があります。

それでも電力消費の少ないARM向けに様々なソフトウェアが開発され、Microsoftが発売するSurfaceシリーズでは遂にARMプロセッサとARM版Windows10という組み合わせで登場します。

もちろん歴史の浅いARM版Windows10ならではの問題もあり、初めてのパソコンとしてARM版Windows10を選んでしまうと多くの難問にぶつかることになります。そこで今回は、ARM版Windows10の注意点についてご紹介します。

動作するのは32bitソフトウェアと一部のストアアプリのみ

ARM版Windows10では64bit非対応のため32bitソフトウェアと一部のMicrosoftストアアプリのみが動作します。64bit版しかリリースされていないソフトウェアは非常に少なく影響は少ないと思われますが、Microsoftストアアプリはほとんど動作しません。

しかし、主要なソフトウェアなら基本的には動作するためサブパソコンとしてなら十分とも言えます。

Microsoft Officeでは一部の製品がインストールされない

ARM版ではOutlook、Word、Excel、PowerPointのみが対応しており、業務で使われることが多いAccessは未対応です。将来的に対応する可能性はあるものの、2020年1月現在は対応予定の告知もありません。

さらにクイック実行形式によるインストールしかサポートされておらずOffice365など最新バージョンのみ利用可能です。

ARM向けドライバがない内蔵デバイスと周辺機器は全滅

ARM版Windows10最大の問題はドライバもARM対応版が必要という点です。これまでWindows向けのドライバなら32bitか64bitにさえ注意していれば大丈夫でしたが、アーキテクチャの異なるAMR版のドライバを探すことになりますがほとんどリリースされていません。

メーカーが製品サポートを打ち切っているものに関しては新たにARM版ドライバがリリースされる見込みは薄く、メインパソコンとして使うにはプリンターが使えないなど致命的です。

OpenGL1.1より上位のバージョンを使用するソフトウェアもNG

CADや映像関係、ゲームではOpenGLを使用する場合がありますが、1.1より上位のバージョンを要求するソフトウェアも動作しません。

OpenGLは2020年現在の最新バージョンは4.6であり、1.1は基本的なテクスチャに対応しただけの20年近く前のバージョンです。ソフトウェア側のOpenGL要求スペックは見落としがちな為、3Dモデルを扱う際は要注意です。

ウイルス対策はDefender一択、IMEやクラウドストレージアプリも動作保証なし

ARM版Windows10では32bitでも動作保証がないソフトウェアがあり、ウイルス対策ソフトウェア・サードパーティー製IME、サードパーティー製クラウドストレージが該当します。

ウイルス対策はOS標準のDefenderしか使えず、ATOKやGoogle IMEなども使えないとなるとユーザーがカスタマイズできる点はほぼないと言えます。

まとめ

ARMプロセッサの利点であるバッテリー持ちの良さをWindowsに取り込むため登場したARM版Windows10ですが、アーキテクチャの違いによる弊害は多く今後どこまで改善できるかが普及の鍵となりそうです。まちがっても初めてのパソコンやメインパソコンとして選ばないよう注意しましょう。

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