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SLCキャッシュのメリットとデメリット

   

SSDは2019年現在、ひとつのセルに3bit保存するTLCと4bit保存するQLCが主流であり、これらの製品と一緒に登場したSLCキャッシュはひとつのセルに1bit保存します。

SSDという一つの製品の中に異なる方式が混在するというのは不思議に感じるかもしれませんが、SLCキャッシュによる恩恵は非常に大きくほとんどのTLC・QLC採用SSDに採用されています。そこで今回はSLCキャッシュのメリットとデメリットについてご紹介します。

TLC・QLCの遅さを補うためのSLCキャッシュ

大容量化に貢献しているTLC・QLCですが、1bit保存するSLCや2bit保存するMLCよりも読み書き速度は低いという問題がありました。

そこでTLC NAND・QLC NAMDの一部領域をSLCとして扱うことで速度を補う手法が採用され、SLCキャッシュと呼ばれています。SLCキャッシュのサイズは製品よって様々ですがIntelのように容量の10%程度を割り当てている場合がほとんどです。

容量固定型と可変型のSLCキャッシュがある

SLCキャッシュは製品によって容量が固定されているものと容量が可変するものに分かれます。固定されている製品はNAND領域の一部をSLCとして使うように設定されており、可変する製品は空き容量を利用状況に合わせてキャッシュに使用します。

最近ではこのSLCキャッシュが可変するタイプが増えており、ユーザーの使用状況に合わせて最適な動作が見込めます。

瞬断や停電時のデータ破損リスクを低減するSLCキャッシュ

SLCキャッシュは速度を向上させるだけでなく、いざという時の信頼性向上にも繋がります。SSDに書き込みをする際はまずSLCキャッシュ上に書き込まれるため、瞬断や停電発生時はTLCやQLCのように同じセル内に保存されている他のデータを巻き込むリスクが大幅に軽減されます。

もちろん完全に安全という訳ではありませんが、TLC・QLCをそのまま使うよりも信頼性が上がることは確かです。

SLCキャッシュを使い切るとTLC・QLC本来の速度に戻ってしまう

SLCキャッシュ唯一のデメリットはキャッシュを容量が尽きたときの性能低下です。キャッシュとしての役割を果たせないばかりか、キャッシュとして保持しているデータをTLC・QLCへ反映させる処理も行うため元々遅いTLC・QLCがさらに遅くなります。

この速度低下が一般的なベンチマークでは分かりにくく、どの程度の書き込みでキャッシュを使い切るかは製品や容量で差があります。仮にベンチマーク結果が優秀だとしてもオンラインゲームクライアントのような100GBを超えるインストール時はキャッシュを使い切り急にパフォーマンスが低下するということが十分あり得ます。

まとめ

SLCキャッシュはTLC・QLCのパフォーマンスを向上させますが、キャッシュ容量を超える膨大な読み書きには無力です。

SLCキャッシュは公開されていることが多いため、4K動画など瞬間的に大きなデータの読み書きを行う使い方をするならよりキャッシュ容量の大きいSSD製品を選ぶことをお勧めします。

>> SSDの種類(SLC、MCL、TCL、QCL)

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