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なぜスティックPCは廃れた?小型化=進化とは限らない

   

一時期、「ポケットに入るパソコン」として注目を集めたスティックPC。テレビのHDMI端子に挿すだけでWindowsが起動し、省スペース志向のユーザーから高い関心を集めました。

しかし2025年現在、その存在感はすっかり薄れてしまい、「ミニPC」にその座を奪われたと言っても過言ではないでしょう。

なぜスティックPCはここまで廃れてしまったのでしょうか?

今回はスティックPCが一時的に人気を集めた理由と、その衰退の背景、そして今なお活用できる場面について解説します。

一時は注目の的だったスティックPCの登場と流行

スティックPCが話題になり始めたのは2014年~2015年ごろです。

きっかけは、Intelが「Compute Stick」として自社ブランドのスティックPCを発売したことでした。

当時の注目ポイントは、「HDMI端子に挿すだけでWindows PCが起動する」というシンプルさと、1万円台から購入できる低価格、そして驚くほどのコンパクトさにありました。

主なターゲットは、

・自宅のテレビでネットサーフィンや動画視聴を楽しみたいユーザー
・業務用デジタルサイネージを簡単に構築したい法人層

などでした。

小型化による新しい使い方の可能性に、多くの人が期待を寄せていましたし、PCゲーマーの中でもサブ用として買う方が結構いましたね。

スティックPCが勢いを失った理由とは

スティックPCが急速に存在感を失った背景には、いくつかの明確な要因があります。

性能の限界

スティックPCは、小型であるがゆえに冷却性能やバッテリー、拡張性に大きな制約があります。また、絶対的な性能が不足していました。

Atom系やCeleron系の超低電圧CPUが搭載されていてで、Office作業やブラウジング程度であっても、動作がもたつく場面が多く見られました。

さらにメモリも2GB~4GB、ストレージもeMMCなど遅い規格が多く、日常的に使うには「非力さ」が目立つ存在だったのです。

ミニPCの台頭

同じ「省スペースPC」市場で、Minisformなどに代表される高性能なミニPCが続々と登場しました。

ミニPCはファン内蔵で冷却性能が高く、SSDやM.2スロット搭載により性能の底上げが可能です。

特に2020年代に入ってからは、手のひらサイズでもRyzen 7やCore i7を搭載する製品が現れ、「小型=低性能」という固定観念が崩れていきました。

その結果、スティックPCは性能・拡張性・価格のすべてで中途半端な立ち位置になってしまったのです。

ミニPCはスティックPCよりも大きいですが、やはり「小ささ」よりも「性能」が重視されるという結果に。

モバイル環境の進化

スマートフォンやタブレットの性能が飛躍的に向上し、「ちょっとした作業」はすでにPCを使わなくてもこなせるようになりました。

今でもスティックPCが役立つシーン

とはいえ、スティックPCには今もニッチな価値が残されています。

デジタルサイネージ用途

モニターの背面に隠して設置できるため、店舗のPOP映像や案内画面表示に最適です。

出張先でのプレゼン用端末

ホテルや会議室のテレビにHDMI接続することで、簡易PCとしての利用が可能です。

子どもや高齢者のPC入門機

ネットやYouTube程度の用途であれば、学習用・練習用PCとして活用可能です。

セキュリティを考慮した“一時的”PC環境

個人情報やアカウント情報を残さずに使いたいシーンで、「その場限りのWindows環境」を作るためのツールとしても有効です。

この用途は今でもスティックPCの存在意義として強いと思いますね。ビジネス用途ならば非常に便利です。ただしゲーマーには全く需要がないですが…。

ニッチだが使い道はまだある

スティックPCは、2015年ごろに登場し、「極小サイズでWindowsが動く」ことに大きな注目が集まりました。

しかし、性能の頭打ちやミニPCの進化、モバイル端末の台頭などにより、2025年現在ではほぼ市場から姿を消しています。

とはいえ、スティックPCは完全に不要になったわけではなく、限定的なシーンでは今も活躍できる“尖った選択肢”です。

私はもう購入予定はないですが、PCパーツがさらに小型化していけば、もう一度スティックPCの時代がくるかもしれません。

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