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ネット・ゲーム依存症対策条例への対抗方法と対策
香川県で話題になっているネット・ゲーム依存症対策条例ですが、サービスの提供側が香川県ユーザーを判別して一定時間で通信を切断するという仕様になる見込みです。
国外でも特定の通信をインターネットサービスプロバイダ―でブロックする例や、国営のファイヤーウォールを導入しブロックする例が知られています。
ユーザーから見れば自由なインターネット利用を束縛する「悪」以外の何物でもなく、抜け道を使い制限から解放されるテクニックが一般化しつつあります。そこで今回はネット・ゲーム依存症対策条例への対抗方法とその対策についてご紹介します。
地域特定につながるアクセス元のIPを偽装すれば規制されない
香川県の条例によれば1日1時間だけ通信を許可し、その後は通信を許可しない仕様になり、サービスに接続しているユーザーが香川県内にいるかどうかの判定が必要になります。
その判定には香川県内で使われているIPや接続ISPの情報が使われる見込みです。携帯電話のテザリングであってもどこの県の基地局から接続しているかが分かるため同様です。
したがって、IPや中継しているISPの情報を隠すことができれば条例が施行されも影響なく接続可能になります。
IPを偽装するならVPNやプロクシが手軽
アクセス元のIPを隠す手法として、VPNとプロクシが一般的です。それぞれ用途に合わせてサービス提供元を選ぶ手間はありますが、ゲーム条例以外にも日本からのアクセスを禁止しているサービスへも接続できるなど使い道は多くあります。またパソコンだけでなく、iOSやAndroid端末、一部のゲームハードにも設定可能です。
ブラウジングもゲームクライアントの通信も全て隠せるVPNが最適
VPNは中国政府が管理する検閲用ファイアウォールがあり、これを回避するためにVPNの需要が高まり急速に無料・有料のVPNサービスが増えました。
現在ではシマンテックなどセキュリティソフトウェアメーカーもVPN接続サービスを提供しています。VPNはネット閲覧もゲームライアントの通信もすべてを暗号化し、VPNサーバーが置かれている地域からのアクセスに成りすますことができます。導入もOS標準の機能を使うため比較的簡単な部類に入ります。
VPNクライアント機能がないゲームハードもパソコン経由でVPNが使える
VPNはネット回線につながるほとんどの機器で使用できますが、まれにVPNクライアント機能がないものがあります。そのような場合はVPN接続中のパソコンを経由することで古いゲームハード等も規制を回避可能です。
ネット回線を中継するにはLANボードやWiFi子機を追加する方法もありますが、ルーターからLANでパソコンへつなぎ、パソコンからWiFiを飛ばす方法ならWindows10の機能だけで完結しコストもかかりません。
ブラウザゲームだけならプロクシでIPを変更する方法が有効
ブラウザゲームやネット閲覧のみ制限を回避するなら、昔から使われているプロクシも有効です。プロクシはHTTPの通信だけを中継するため、Windowsアップデートや外の通信は影響を受けません。
VPNではすべての通信が中継・暗号化されるためゲームクライアントの更新やアップデートも通信が遅くなるデメリットがありますが、プロクシではこのような問題は起きません。
しかしプロクシ経由の接続は決して安全とは言えず、アカウントの漏洩や脆弱性を狙った攻撃に遭う可能性は高くなりがちです。このような理由からセキュリティの担保がない無料のプロクシを常用するのはハイリスクと言えます。
抜け道をふさぐにはルーターとパソコンの管理者権限を抑えた上で通信をブロック
規制を受ける子供が抜け道を探す一方で、保護者は抜け道をふさぐことを考えねばなりません。VPNやプロクシを使うにはOSの設定変更やソフトウェアの導入が必須なため、まずは管理者権限を保護者が持ち、子供には一般ユーザー権限を持たせることから始まります。
しかしパスワードハックやほかの端末を追加するなどいたちごっこに陥ることを想定し、ルーター設定にも気を配るべきです。
具体的にはルーターがVPN通信を許可する「VPNパススルー」の無効化やDNSフィルタリングでVPNサーバーとプロクシサーバーをブロック対象に設定するなどがあります。
まとめ
ネット・ゲーム依存症対策条例は賛否両論が分かれる内容ですが、実際に必要となるであろう家庭内のネットワーク設定や管理についてはほとんど話題に上がりません。
いくら規制を設けたとしても、VPNやプロクシといった合法的な回避策がある以上、実際に監督する保護者の正しい知識なしには抜け穴だらけの施策に終わるのは明白です。
子供が抜け穴探す過程でIT技術に詳しくなることは喜ばしいですが、それをゲームや遊びではなく学習の域に高めることができればネット・ゲーム依存症対策条例が必要のない社会が訪れる日が来るでしょう。