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2020年も多かったクラウドサービストラブルや改悪
自社専用にサーバーを設置するオンプレミスに対し、レンタルサーバー上にシステムやネットワークストレージを構築するクラウドコンピューティングは初期費用が安く一気に普及が進みました。しかし普及と同時にレンタルサーバー特有の問題やサービス内容の一方的な変更問題も問題視されるようになりました。
そして2020年もクラウドサービスにまつわる重大な事件が多く発生し、利用者にとっては不満の残る結果になることもあったようです。そこで今回は2020年も多かったクラウドサービストラブルや改悪についてご紹介します。
定期的に起こるクラウドストレージのデータ消失トラブルがCanonで発生
2020年8月にCanonが運営する写真向けクラウドストレージサービス「image.canon」内でユーザーが保管していたデータが一部消失しました。
復旧できた写真も本来の解像度ではなく、低画質なデータしか復旧出来なかった上に動画は復旧出来ず、大切なデータを預けていたユーザーにとっては残念な事件でした。なおデータ消失の原因はサーバープログラムの誤作動であり、十分なバックアップ体制を整備していなかったとも受け取れる内容です。
NECキャピタルソリューションのクラウドサーバーが社内手続きのトラブルでユーザーの全データ消失
2020年11月にはNECキャピタルソリューションが運営するクラウドサーバーから「ふくい産業支援センター」のWEBサービスに関するデータが全て消失しサービスを停止しました。
しかもデータの復旧は出来ず、バックアップも消失するという最悪な事案となった原因は社内の事務手続きトラブルでした。クラウドサービスの契約更新がNECキャピタルソリューションで正常に終わらず、期間満了したとしてクラウドサーバーから削除されてしまうというユーザーにとって防ぎようのない事件です。
クラウドストレージサービスは「場所貸し」でデータの保証はない
定期的に起きているクラウドストレージサービスのデータ消失トラブルですが、利用していたユーザーに謝罪があっても賠償などが行われることは非常に希です。
それはクラウドストレージサービスがただの「場所貸し」に過ぎず、そこに保管したデータに対し一切保証しない代わりに安価でサービス提供しているためです。そのため人的トラブルやソフトウェアのバグ、サーバーの機器的故障が幾度も発生しデータが消えたとしてもユーザーは泣き寝入りするしかありません。
Google フォトの容量無制限保存が終了し課金制へ改悪
写真を容量無制限に保存できることで多くのユーザーを集めたGoogle フォトですが、2020年11月の発表で容量無制限の廃止と、15GB以上は課金制へ移行する発表がありました。
既に保存した写真に対して削除などはされませんが、継続して利用するには課金が不可欠です。実施は2021年6月と変更内容に対して猶予期間が短く、このまま課金するか他のサービスへ移行するかユーザーは判断しなければなりません。
度重なるクラウドサーバーのトラブルやサービス改悪を受けてオンプレミスへ戻る傾向にある
日本国内でも2012年に大手レンタルサーバー「ファーストサーバ」がほぼ全ユーザーのデータを人的ミスで消失するなど重大事件が起きており、その後も定期的にクラウドサーバーにまつわるトラブルや事件が発生し続けています。
もし被害に遭えば大切なデータを失いかねない危うい状況を避け、安心できるサーバー環境を作るべく以前のオンプレミスへ戻す傾向が出てきました。
初期投資や故障時の対応などデメリットはありますが、クラウドサービスのような防ぎようのない原因で理不尽な被害に遭うことがないためクラウドとオンプレミスに両対応するソフトウェアも増えています。
まとめ
クラウドコンピューティングはオンプレミスより優れているように思われがちですが、実際にはオンプレミスにはない様々なリスクをはらんでおり、どちらかが絶対に優れているということはありません。
ただデータの保証だけに焦点を当てるなら、クラウドは何が起ころうと責任がないという重大なデメリットがあります。もしクラウドかオンプレミスか迷った際はデータの安全性とどこまでの範囲で何が保証されているのかよく確認することでトラブルを避ける手立てになるのではないでしょうか。